プロ並みの腕前とはいうけど、所詮は付け焼刃

長年培ってきて手にした技術や知識というのは、お金ではどうにもならない宝。
逆にそれもなしに様々な分野に首を突っ込むのは、色々と命取りになることになりかねない。
「プロ並みの腕前」という言葉はあるけどそれは「素人にしてはソコソコできますね」という意味であることを忘れてはいけない。
決してプロの域には足元にも達していないんだから。

私は広告デザインを生業にしてたんだけど(今はもう半分引退しているも同然だけど)、その広告制作は今やAdobeツールさえあれば誰でも簡単に作ることが可能。

しかしだ。

例えば素人さんが頑張って広告のデザインをするんだけど、出来上がったものを見ると、「ああ、これアカンわ」というのがほとんど。
文字の使い方、間隔、配色バランス、全てがチグハグ。
タイポグラフィってキーボードで入力したまんまじゃ成立しない。手書きや写植、紙焼きの印画紙を切った張ったの経験がないと中々身につかない感性だ。
さらにAIデータや写真データの内容もおかしい。
モニターで見るとそうでもないんだけど、これをフィルム越しで紙媒体でに印刷したら色々アウトな部分が多々出てくる。
こういう言い方はあまり好きではないんだがデザイン業界を下に見て「こんなの自分でできるわ」と仰せの方々には「デザインワークやDTPを舐めるな」という返し言葉を贈りたい。
もし心当たりがある人がいたら教えてあげる。
あなたのその色んなミス、全部印刷会社や製版会社が黙って修正してくれてるんですよ、と。

 

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多分これ、バイクの整備の件でも言えるのだろう。
多分じゃなくて100%、間違いなく当てはまる

素人が工具揃えたところで、フロントアクスルシャフトからキャリパーまでの一連のトルク管理とか、素人ならマニュアル通りに組むしかないのだがその組み方が既に間違っていたりと、プロの目からすれば噴飯な個所がゴロゴロあるのだろう。

分かりやすい例で言えば、8mmボルトなんかはだいたいオーバートルクで締めてしまうし、反対に20mmぐらいになると今度は緩すぎたり。
だから足回りとかはトルクレンチでちゃんとトルク管理しましょうね、ってことなんだけど、そもそもそのトルクレンチの使い方が間違っていたりする。
ダブルチェックですわーって2回、3回とプリセット型をカチカチいわすの。
何のためのトルクレンチだか。あ、この事例、プロの現場でも多いみたい。


今ちょっと迷っているのはTL1000Sのエンジンのこと。
もうそろOHしたほうがいいよねって。
中古バイクの怖い所は過去にどんな乗り方されて、どんな整備をされてきたのかわからないこと。
エンジンの中なんて開けてみないと分からない。
エンジン開けるなんて4気筒の経験はあるけどここ数十年やってない。しかもその4気筒はカワサキの空冷2バルブ。
はて、セミカムギアトレイン搭載の水冷V型2気筒はどうだろう。

モリワキのサービスとか憧れでもあるんだけど、工賃だけでTLの購入金額を上回りかねない。別のワークショップでお願いしてもおそらく同等のコストはかかるだろう。
予算枠はパーツ代のみで自分でOHして「まぁこれくらいで許しといたろか」のレベルで済む。

しかしその差額の中身はお金だけでは決して得られない、至宝の技術の賜物。
でも無い袖は振れない。
さてどうしたものか・・・。