タイヤとパンツ

私はタイヤの専門家どころか化学の世界にも全くの素人ですが、一応樹脂やゴムの界隈に関わっていたりするので、それらの添加剤についてはある程度の知識はあったりします。
知識というより見聞きした程度と思ってください。

今回はタイヤについての無意味な、読むだけで時間の無駄な雑記です。

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ここで二者一択。
製造から3年経った新品のスパコルと、製造から1か月で1時間走行しただけの中古スパコル。
選ぶならどっち。

私は断然前者です。

ならば、前者は3万円、後者は3000円ならどうだ。
と言われてもやはり前者を選択。

タイヤゴムに使われている添加剤はそう簡単に物性が変わるようなものではないものの、条件をそろえてやると一気に変質します。
むしろそうなるように設計されてるんです。
分かりやすい例でいうならピンク色で有名な工業用せっけん。
あれは放っておいたらいつまでも粉体のままですけど、手で握って擦り合わせたら物性が変化して半液状になります。

タイヤもそれと同じ。

液状化した石鹸は乾燥させたとしても同じ性能を発揮させられないのと同じく、タイヤも物性が変化した境に劣化が進行するのです。しばらく時間が経つと青光りしてくるのは劣化が進行している現象の一つ。

ラップ巻いても内部から劣化するので無意味です。
野菜サラダじゃあるまいし、タイヤをラップ巻きした程度で劣化を遅らせられるなら添加剤の開発者は苦労しません。
それでもというなら紫外線を通さない素材のカバーが有効ですが、そもそも長期間保管することがあるものかと。

そんなこと言い出すと、ではサーキットを走る毎にタイヤを新品にするのか、という話になるのですが結論からいえばそれが正しい。
何故ヤフオクで1時間走行しただけのスパコルやD213が流れているのか、その理由を考えてみればわかることです。
それらはもはや『ただの劣化している「スパコル(D213)だった」タイヤ』なのです。
ここからは私の想像に過ぎませんが、レースの世界で戦っている人たちは理屈よりも実体験でそのことを身をもって知っているのでしょう。
そんなタイヤではデータも取れない、ということなのかもしれません。
彼らにとってはそんな無価値な産業廃棄物も、ヤフオクで流せば売れるので燃料代の足しにはなりますね。

そもそもまだ溝あるし、廃棄するなんてもったいないじゃないか!という声もあるでしょうけど安心してください。
そのタイヤが製造された時点で全くもってエコからは程遠い場所にいるのです。
しかし、そんな産廃もちゃんとリサイクルに回されます。
その先は中国のゴム産業界。
あまり知られてませんが中国は再生ゴムに関しては超エキスパートなのです。
製造規模は日本が1とすれば中国は250を超えるほどの圧倒的な規模です。


では製造されてから倉庫で3年間眠っていたタイヤはどうか。
これは先も書いたように、添加剤はその程度の経年でどうにかなるほどヤワではありません。むしろ環境問題になるほどしぶといのです。
一番危険なのは紫外線なので蛍光灯が常時点灯しているような場所はマズいですが、ショールームじゃあるまいし倉庫なんてのは大抵は消灯されているから問題ないでしょう。
真夏のコンテナ内であってもせいぜい60度ぐらいで頭打ちになるので、物性が変化するような温度には到達しません。
ただし、製造から3年経ったタイヤはタイヤサービスではNGでしょうし、量販店でも商品にならないのでネットで安く叩き売られることになります。
そこを狙い撃ちするのです。
レーストラックで遊ぶ程度なら全く問題ありません。

ただし例外があって、中国メーカーのタイヤはこの条件には当てはまりません。
中国メーカーのタイヤはその原料は再生ゴムがほとんどなどで、鮮度管理は先の条件が当てはまりません。
車のタイヤでは酷いのになると製造1年も経たないうちに半分以下の性能になるものまであるほどなので・・・じゃぁピレリは大丈夫なのかって話になるのですけど多分大丈夫じゃないですかね、生産工場の現場で妙なことさえしていなければですが。


そもそも私はそんなシビアなコンディションコントロールを求めているわけではありません。
そうでないと逆履きなんかするわけがない。というかいいかげん交換しろよ。

中古タイヤを忌避するのはもっと別の理由があるのです。
それは「他人が履いていたパンツなんざ履きたくないわ」ということと同じ。
どこの誰だかわからない、どんな使われ方したかもわからない、お古の、お下がりのタイヤ(パンツ)とか、絶対イヤだわ。なんか病気になりそうだし。
でもそれがロッシとかマルケスとかレイとかのお下がりなら・・・ムムム、サインしてください。家に飾ります。


どうでもいいけど「スパコル」と聞くと「ストパン」を連想してしまうのはヤバい人の証拠なんですかね。
パンツじゃないんですねーズボンなんですねー。放映開始当時は「日本終わった(あるいは始まってしまった)」と思いましたねー。